日本国憲法改正私案
日本国憲法改正私案(まだまだ作りかけ)
前文
目次
第1章 総則
(国民主権)
第1条
- 日本国の主権は、国民が保持する。
- 2 公の権力は、国民に由来し、国会が立法権を、内閣が行政権を、裁判所が司法権をそれぞれ行使する。
(基本的人権・自由)
第2条
- すべての人は、生まれながらに人間としての尊厳があり、よってすべての人に基本的な人権と自由が当然に生じる。日本国民はここに、この原則を総意として認める。
- 2 日本国は、人権尊重主義をとり、立法、行政、司法の三権の行使はこれに拘束される。
(元首)
第3条
- 天皇は、日本国の元首であり、日本国ならびに国民の統合を象徴する。
- 2 天皇の地位は、国民の総意に基づく。
(政治体制)
第4条
- 日本国は、議会民主制をとり、日本国民は、公正な選挙で議員を選出した国会で、もしくはこの憲法で定める国民投票を通じて、その意思を決定する。
(戦争の放棄)
第5条
- 日本国民は、人類普遍の正義に基づいた秩序ある国際平和を希求する。日本国は、あらゆる国際紛争の解決において平和的手段を選択し、国家の行為としての戦争を放棄し、武力による威嚇又は武力の行使を禁止する。
- 2 日本国は自衛権を有し、陸海空その他の戦力は、日本国の平和と安全を維持し、もしくは日本国民を保護するために必要な範囲に限り、保持することができる。
- 3 日本国の戦力は、他国の領域に侵入できない。ただし当該国の同意を得て、もしくは全世界的な国際機関の要請を受けて、地域の平和と安全の維持を目的とし武力行使を伴わない活動をする場合を除く。
(最高法規)
第6条
- この憲法は、日本国内のすべての領域に適用される最高法規であり、この憲法に反する法律、政令、命令および国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない。
第2章 国民の権利
基本権・平等
(基本的人権の制限)
第7条
- この章で定める基本的な人権と自由は、自由で民主的かつ平和的な社会を維持しその秩序と安全を保護するため、もしくは国民の福祉を公平に向上させるため、法律をもって合理的かつ必要な制限を設けることができる。ただしこの憲法で、明記された内容に反する制約は設けることができない。。
(国民の権利保持努力義務)
第8条
- この憲法が保障する基本的な人権と自由は、国民の不断の努力によって保持されなければならない。
(国籍)
第9条
- 出生の時点でその両親の少なくとも一人が日本国民である者は、その出生地にかかわらず、日本国籍を得る。
- 2 日本国内で出生した者のうち、以下の条件に該当する者は、日本国籍を得る。
- 父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき
- 出生時に父母のいずれかが日本国に永住する権利を有しているとき
- 3 前2項に定めるほか、日本国に帰化するための条件は、法律で定める。
- 4 国民が日本国籍を離脱し、もしくは喪失する条件は、法律で定める。ただし他の国籍を有しない者の日本国籍は失われない。
(幸福追求権)
第10条
- すべて国民は、個人として尊重される。自由および幸福追求に対する国民の権利は、立法その他の国政の上で最大限に尊重される。
(法の前の平等)
第11条
- 何人も、法の前に平等である。
- 2 何人も、人種、現在または過去の国籍、出身民族、世系、遺伝的特徴、性別、社会的身分、門地、信仰、政治的または宗教的見解その他の信条により、政治的、経済的、社会的、文化的その他の関係において差別を受けない。
- 3 貴族制度は、これを認めない。
- 4 栄誉、勲章、位階その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
(人種差別の禁止)
第12条
- すべての個人あるいは集団は、人種等(人種、現在または過去の国籍、民族、世系ならびに遺伝的特徴を指す。以下同じ。)に基づく差別から保護される権利を有する。
- 2 人種等に基づく隔離政策は、これを禁止する。
(生命権)
第13条
- 何人も生命および身体の安全に対する生来の権利を有し、恣意的にその生命を奪われない。
- 2 死刑制度は、これを禁止する。
(拷問の禁止)
第14条
- 何人も、拷問もしくは残虐、非人道的または品位を傷つけられる刑罰もしくは取り扱いを受けない。
- 2 何人も、本人が自発的に同意した場合を除き、医学的または科学的実験の被験者にされない。
(奴隷、強制労働の禁止)
第15条
- 何人も、いかなる奴隷的あるいは隷属的状態に置かれることはない。
- 2 奴隷制度、奴隷取引および人身売買は、これを禁止する。
- 3 何人も、次の場合を除き、強制労働に置かれない。
- 裁判所の命令に基づく犯罪処罰
- 自由意志で志願した国防職公務員に対する必要な軍事的役務
- 災害もしくは国の存立を脅かす緊急事態の際に特に必要な役務で、法律で定めるもの
(国民追放の禁止)
第16条
- 日本国民は、外国に追放されず、日本国への入国を拒否されない。
- 2 合法的に日本国内に滞在する外国人は、犯罪人の引き渡しのための条約を結んだ相手国から請求があり、外国で犯罪を行ったと疑うに足る相当な理由がある場合に限り、引き渡すことができる。
精神的自由権
(思想、良心の自由)
第17条
- 思想及び良心の自由は、いかなる場合も、これを侵してはならない。
(信教の自由)
第18条
- 信教の自由は、いかなる場合も、これを侵してはならない。
- 2 何人も、宗教儀式、礼拝及び教導を行いまたは信仰を表明する自由を有する。
- 3 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
- 4 いかなる宗教団体も、国から特権を受けてはならない。
- 5 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。
(学問の自由)
第19条
- 学問の自由は、これを保障する。
(表現の自由)
第20条
- 何人も、干渉されずに意見を持つ権利を有し、言語、文章、芸術その他の方法で表現する自由を有する。
- 2 検閲は、これをしてはならない。
(通信の秘密に関する権利)
第21条
- 何人も、信書、電話その他の通信の秘密を守られる権利を有する。
(集会、結社の自由)
第22条
- 何人も平和的に集会を開き、自由に結社する権利を有する。
(家族、婚姻の権利)
第23条
- 家族は人間社会の自然かつ基礎的な単位として、保護を受ける権利を有する。
- 2 法律で定める年齢に達した者は、婚姻し家族を形成する権利を有する。
- 3 婚姻は、両当事者の合意のみに基いて成立し、相互が平等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない。
(私生活の保護)
第24条
- 何人も、その私生活、家族、住居もしくは通信に対して恣意的にもしくは不法に干渉され、または名誉及び信用を不法に攻撃されない。
経済的自由権
(居住移転の自由)
第25条
- 何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
(財産権)
第26条
- 何人も、個人もしくは他者と共同して財産を所有し、恣意的に奪われない権利を有する。
- 2 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。
- 3 何人も納税においては、法律で定める税の種別および法律で割にのみ従う義務を有する。
参政権
(参政権)
第27条
- 国民は、その代表者たる公務員を自由に選定して国政及び地方自治に参与する権利を有する。
- 2 代表者たる公務員の選挙は、成年による普通選挙が定期的に行わなければならない。
- 3 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
- 4 日本国籍を有せず日本国内での永住資格を持つ者は、地方自治に関し、選挙を通じた参政権を有する。
(公務就任権)
第28条
- 国民は、公務員として国政及び地方自治に携わることができる。
- 2 前項において公務員を選任する際は、平等な条件下で選抜されなくてはならない。
- 3 日本国籍を有しない者は、公権力の行使または国の意思形成への参画に携わらない職種に限り、公務員として国政及び地方自治に携わることができる。
受益権
(請願権)
第29条
- 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有する。
- 2 何人も、前項の請願をしたことによっていかなる差別待遇も受けない。
(賠償・補償請求権)
第30条
- 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国、地方自治体または公共団体に、その賠償を求めることができる。
(裁判を受ける権利)
第31条
- 何人も、刑事上の罪ならびに民事上の権利および義務の争いの決定のため、公平、公正、独立の裁判所による公開裁判を受ける権利を有する。
- 2 裁判所は、刑事裁判の公判手続及び判決並びにその他の裁判の口頭弁論及び判決を、一般の国民や報道機関に公開した法廷で行う。
- 3 裁判所は、裁判官の全員一致で裁判の公正、公の秩序、善良の風俗または国の安全を害するおそれがあると決した場合に、前項の規定にかかわらず、判決をのぞく裁判の全部または一部を非公開にすることができる。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪または本章で保障する国民の権利が問題となっている事件の口頭弁論及び公判手続は、常に公開しなければならない。
社会権
(生存権)
第32条
- すべて国民は、衣食住の生活水準、身体及び精神の健康並びに文化性において、最低限度を満たし、かつさらに向上した生活を営む権利を有する。
- 2 すべて国民は、前項の権利を保障されるために、必要な社会保障を受ける。、
- 3 国は、国民生活のすべての分野において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(教育を受ける権利)
第33条
- すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
- 2 すべて国民は、法律の定めるところにより、児童に普通教育を受けさせる義務を負う。
(無償教育)
第34条
- 初等教育と前期中等教育は、これを無償とする。
- 2 後期中等教育は、これを無償とし、すべての者に機会が与えられる。
- 3 高等教育は、すべての者に均等に機会が与えられる。
(勤労の権利)
第35条
- すべて国民は、職業を自由に選択して勤労する権利を有する。
(労働条件の権利)
第36条
- 何人も、次に掲げるものを確保し、公正かつ良好な労働条件を与えられる権利を有する。
- 差別なく公正な賃金が支給されること
- 休暇及び休息が適切に確保され、労働時間が合理的に制限されていること
- 労働者及びその家族が最低限度を満たす生活を営むことができること
- 安全かつ健康的な作業条件であること
- 先任及び能力による条件を除き、すべての者がより高い地位に昇進する均等な機会が確保されていること
(労働基本権)
第37条
- 何人も、労働組合を結成し、及び自ら選択する労働組合に加入する権利を有する。
- 2 労働組合は、団体交渉し、同盟罷業し、並びに労働組合同士で連合を設立する権利を有する。
- 3 軍、警察、消防およびその他の公務員については、法律で前2項の権利を制限することができる。この場合、国は制限された権利に変わる代替の交渉機関を設けなければならない。
(家族に対する保護)
第38条
- 児童を養育する者並びに産前産後の期間の母親は、社会保障及び労働条件において、適切な保護及び援助を受ける権利を有する。
(未成年者に対する保護)
第39条
- 未成年者は、社会的な搾取から保護され、労働において酷使されない権利を有する。
- 未成年者は、健全育成のため、刑事処罰において更正教育が優先されねばならない。
人身の自由
(適正手続)
第40条
- 何人も、法律で定める適正な手続を遵守したものでなくては、その生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない。
(逮捕抑留手続)
第41条
- 何人も、裁判官が発し、かつ理由となる犯罪を明示する令状によらなければ逮捕されない。ただし現行犯の場合は、令状によることなくただちに逮捕することができる。
- 2 前項の令状については、被疑者が法律で定める重大な罪を犯したことを疑うに足る十分な理由があり、かつ急速を要し、令状を求めることができないときに限り、その理由を告げて被疑者を緊急逮捕することができる。この場合には、逮捕後直ちに裁判官に令状の発行を求めねばならず、令状が発せられないときは被疑者は直ちに釈放される。
- 3 逮捕される者は、逮捕時に直ちにその理由を告げられねばならない。
(抑留、拘禁)
第42条
- 何人も、正当な理由がなく、もしくは理由を直ちに告げられることなく、又は直ちに弁護人に依頼する権利を与えられることなく、抑留され、又は拘禁されない。
- 2 拘禁は、裁判官の決定がなければ、これをすることができない。
- 3 拘禁された者は、拘禁の理由を直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示すことを求める権利を有する。
(住居等の不可侵)
第43条
- 何人も、住居を侵されない権利を有し、正当な理由に基づいて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状によらなければ、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索又は押収を受けない。ただし、第23条1項および同条2項の規定により逮捕される場合は、この限りでない。
- 2 前項本文の規定による捜索又は押収は、裁判官が発する各別の令状によって行う。
(逮捕手続等の通訳)
第44条
- 何人も、37条3項、38条各項および39条1項で定める手続において、その理解する言語への通訳を受ける権利を有する
(抑留、拘禁)
第45条
- 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
- 2 強制、拷問もしくは脅迫による自白又は不当に長く抑留もしくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
- 3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
(刑事裁判を受ける者の権利)
第46条
- 何人も、刑事裁判を受け罪を決定される際に、次の保証を受ける権利を有する。
- 迅速な裁判を受けること
- すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられる権利および公費で自己のために強制的手続により証人を求めること
- 資格を有する弁護人を依頼し、被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを付すること
- 裁判で使用される言語を理解できず、もしくは話すことができないとき、無料で通訳を受けること
(推定無罪)
第47条
- 刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される権利を有する。
(再審理の権利)
第48条
- 有罪の判決を受けたすべての者は、法律に基づきその判決及び刑罰を上級の裁判所によって再審理される権利を有する。
(再処罰の禁止)
第49条
- 何人も、有罪または無罪の判決が確定した同一の行為について、本人の請求による再審を除き、再び裁判もしくは処罰を受けない。
- 2 無罪の判決を受けた者に対しては、その判決を上級の裁判所で再審理してはならない。
(遡及処罰の禁止等)
第50条
- 何人も、実行の時に適法であった行為については、刑事上の責任を問はれない。
- 2 何人も、犯罪が行われた時に適用されていた刑罰よりも重い刑罰を科されない。
- 3 何人も、犯罪が行われた後に、より軽い刑罰を科する規定が法律に設けられた場合は、その恩恵を受ける。
(冤罪被害者の補償)
第51条
- 国は、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けた者に対し、法律の定めるところにより補償をしなければならない。
天皇
(皇位継承)
第4条
- 皇位は、法律として制定された皇室典範で定める継承順によって世襲される。
- 2 天皇が崩じたときは、皇嗣が、ただちに即位する。
- 3 天皇の譲位は、個別の法律をもって定める。
(内閣の助言)
第5条
- 天皇は、内閣の助言に基づき、国民の象徴の名の下に、国事に関する公務を行う。ただし国務会議が天皇の国事に関する公務について諮問を受け、天皇に答申したときは、内閣はその答申を尊重し助言しなければならない。
(天皇無答責)
第6条
- 天皇が国事に関する公務を行うときは、内閣が責任を負い、天皇は責任を有しない。
(天皇の国事公務)
第7条
- 天皇の国事に関する公務は、以下のものとする。
- 改正された憲法を公布すること
- 法律、条約および政令を公布すること
- 国会を招集すること
- 衆議院を解散すること
- 参議院議員のうち、国民の選挙によって選任された議員について、解散を公示すること。
- 衆議院の選挙を公示し、参議院のうち国民の選挙によって選任される議員の選挙を公示すること。
- 参議院議員のうち、国民の選挙によらず選任する議員を任命すること
- 内閣総理大臣を任命し、その候補者を指名し、その臨時代理を任命すること
- 国務大臣および法律で定める行政のその他の公務員の任免を認証すること
- 最高裁判所長官及び最高裁判所のその他の裁判官を任命すること
- 法律で定めるその他の裁判官の任命を認証すること
- 全権委任状並びに大使および公使の信任状を認証すること
- 恩赦、特赦、減刑、刑の執行の免除および復権を命じること
- 位階、勲章、褒章およびその他の栄典を授与すること
- 外国の大使及び公使を接受すること
(国務会議)
第8条
- 天皇の国事に関する公務のうち、重要事項に関する天皇の諮問機関として、国務会議を置く。
- 2 天皇は、国務会議を招集し、その議長となる。
- 3 国務会議の委員は、以下の者を充てる。
- 皇族のうち互選で選ばれた二人
- 衆議院議長及び副議長並びに議員の互選において得票で一位の者及び二位の者。
- 参議院議長及び副議長並びに議員の互選において得票で一位の者及び二位の者。
- 内閣総理大臣
- 宮内庁長官
- 最高裁判所長官並びにその他の最高裁判所裁判官のうち互選で選ばれた一人
- 4 国務会議は、
(皇室祭祀)
第9条
- 天皇は伝統に基づく神道の儀式を行うことができる。
- 2 天皇は、前項の儀式を行うとき、国民に対していかなる強制も行うことができない。
(摂政)
第10条
- 天皇が病気その他の事由で公務を行えないときは国務会議の議決にもとづき、十八歳以上で皇位継承順の最上位の者を摂政とする。
- 2 摂政は天皇の名の下に公務を行う
(国事行為臨時代理)
第11条
- 天皇は、病気、外国訪問またはその他の理由で一時的に欠ける場合は、十八歳以上で皇位継承順の最上位の者を公務を代行する国事行為臨時代行者におかなければならない。
(皇室経費)
第12条
- 皇室に支出する経費の額は、法律で定める
(憲法遵守義務)
第13条
- 天皇、国会議員、裁判官、国務大臣その他の公務員および自衛隊員は、職務にあたりこの憲法を遵守する義務を有する。
- 2 天皇は、即位する際に、この憲法を遵守する旨を宣誓しなければならない。このとき天皇は、宣誓の内容を衆議院及び参議院にそれぞれ文書で通知しなければならない。
- 2 天皇は、この憲法で定める国事行為において、内閣の助言に反する行為をしてはならない。
- 3 天皇は、国の軍事に関与してはならず、国の軍事組織に参加してはならない。
- 2 天皇が憲法の改正、条約、法律、政令、詔書その他の公文書の公布のために署名したときは、国務大臣が副署しなければならない。
国会
(立法権)
第59条
- 国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である。
(両院の構成)
第60条
- 国会は、衆議院と参議院の両院で構成する。
- 2 天皇は、国民の象徴として国会に関わる公務を行うために、国会に出席し、もしくは詔書を送ることができる。
- 3 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、この憲法で定める権限を行使し、もしくは国会の権限に基づく要求に対応するため、国会に出席できる。
(両議院議員の兼職禁止)
第61条
- 何人も、同時に両議院の議員になることはできない。
(歳費)
第62条
- 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
(不逮捕特権)
第63条
- 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があるときは、会期中釈放しなければならない。
(議員の免責)
第64条
- 両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。
衆議院
(衆議院の組織)
第65条
- 衆議院は、選挙によって選ばれた議員で組織する。
- 2 衆議院議員は、全国民の代表者であり、衆議院において委任もしくは支持に拘束されず、その良心に従って行動する権利を有する。
(衆議員及び選挙人の資格)
第66条
- 衆議院の議員及びその選挙人の資格は、法律で定める。この場合においては、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。
(衆議院の構成)
第67条
- 衆議院議員の任期は、5年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
(衆議院の選挙制度)
第68条
- 衆議院の選挙区は小選挙区制とし、各選挙区の定数は1とする。
- 2 衆議院の選挙は、立候補した全候補者を対象にした第1回選挙を行い、その上位2人を候補者を対象にした第2回選挙を7日後に行う。ただし第1回選挙で過半数の得票を得た候補者がいた場合は、その者を当選者とし、第2回選挙を行わない。
- 3 衆議院の総定数は618とする。ただし選挙人の公平を図るために急ぎ選挙区の増減が必要な場合に限り、上下15人までの増減ができる。
- 4 投票の方法、選挙区割その他衆議院選挙制度に関する事項は、法律で定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案し、選挙区間の人口格差を2倍未満にして定めなければならない。